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「日本をぶち上げる!」清水CEOがiNTERFACE SHIFTを仕掛るワケ

Q-SHOCKをご覧の皆さんこんにちは、タカタタンです。今日は私も運営メンバーをしているイベント、iNTERFACE SHIFTについて、「Forbes 30 Under 30 Asia」 エンタープライズ・テクノロジー部門に選出された、日本でもトップクラスにあついZEALSの清水CEOから聞いてきました。

プロフィール

清水正大(Masahiro Shimizu)

岡山県倉敷市出身、 1992年生まれ、 26歳。
東日本大震災を契機に「日本をぶち上げる」という志に人生を賭けることを決断。
働きながら貯金した資金で、 明治大学に21歳で入学。 明治大学在学中の2014年4月に株式会社ZEALSを設立。「チャットボット×広告」をコンセプトにした新たなネット広告サービス「会話広告 fanp」を提供。2018年3月に、「Forbes 30 Under 30 Asia」 エンタープライズ・テクノロジー部門に選出。

26歳起業家がイベント経験ゼロから仕掛けるiNTERFACE SHIFTとは?

–今回は僕も運営メンバーに入れてもらってるiNTERFACE SHIFTについて読者の皆様に知っていただきたくて、取材にきました!よろしくお願いいたします。

まず、インターフェースとは、“人と機械の関係”を示しています。現代は、新しいテクノロジーが沢山存在します。分かりやすいものだとVRやポケモンGOのARをはじめとして、僕らがやっているコミュニケーションテック(チャットボット・音声)、ブロックチェーン…、僕たちはそのようなテクノロジーを通じて人と機械の関係性(インターフェース)が劇的にシフトしていく渦中にいるのです。この状態を表してiNTERFACE SHIFTと名付けました。

登壇者の方々は、テクノロジーの第一線を走っているパイオニアの方々をお呼びしました。XRでいえばgumiの国光さん、クラスターの加藤くん、キズナアイも所属するVtuberのネットワークUpd8運営のActiv8大坂さん。ブロックチェーンからは、heyの佐藤さん、グノシー兼LayerXの福島さん。音声の領域でいえばVoicyの緒方さん、LINEのクローバーで有名な砂金さんなど。新しくも、話題になりつつあるテクノロジーのパイオニアをお呼びし、彼らに新しいテクノロジーが、どんな風に日本をぶち上げていくのかを語っていただきます!

 

–そもそも、どうしてiNTERFACE SHIFTを開催するんですか?

端的にいうと、「この国から産業革命を興す事で、日本をぶち上げたい」と思っているからです。僕たちは、次なる産業革命を経験できる非常に恵まれた時代に生きています。課題先進国日本では労働人口がどんどん減少している中、産業構造が変わらなければ未来の世代がワクワク生きていける社会は創れません。そんな大きな課題がある中で、逆に新たなテクノロジーがどんどん発明されています。ブロックチェーン・XR・IoT・AI…、そのどの領域も一つに繋がり、最終的には「産業革命」が興ると思ってます。だから、それを一つにまとめて発信し、繋がり合う場をつくることができれば産業革命をfrom Japanで実現できると思っています。

 

–今回のカンファレンスは既存のカンファレンスの違いについて教えてください!

一番の違いは、メッセージの矛先です。僕達が今回のカンファレンスでターゲットにしている方々は、アーリーアダプターやスタートアップ界隈の人など、既に詳しい人ではなく、大企業の新規事業担当者様や、テクノロジーに現在関心の薄い方や、将来に不安を抱いている学生の方々です。あと、これまで私がお世話になってきた方々には皆さんお越し頂きたいですが。

例えばオリンピックだと、陸上を経験した事がない人でもオリンピックを見て陸上に熱狂し、スター選手に憧れます。時期が過ぎ去ったら陸上のことは忘れてしまうかもしれません。でもその瞬間は、それまでその領域に一切興味の無かった人たちでもガッと熱狂する場になります。

だから、“テクノロジーのオリンピック”として、今までテクノロジーに興味関心のなかった人たちに対してテクノロジーの熱を届けたいと思って、自分で創ろうと決心しました。

オリンピックが開催される2020年には東京ドームか渋谷の町全体を活用して開催したいと思っていて、来年2019年にはビックサイトまで飛躍したいと思っています。なので、この第一歩目が100人規模で開催しても話が進みません。ですから、日本屈指のカンファレンスホールがある虎ノ門ヒルズで第一弾のカンファレンスを行います。このiNTERFACE SHIFT 2018を開催するのに約4000万円超の費用がかかるので、色々な方から狂ってると言われますがその通りだと思います(笑)。
全ては日本から次なる産業革命を興すためです。「日本をぶち上げる」という使命を掲げて勝負するならこのぐらいやっていかないといかんと思っています。今回は啓蒙、次回は体験にフォーカスし、3年後、オリンピックのタイミングでは世界中からiNTERFACE SHIFTに挑むパイオニアに集まって頂き、その瞬間一般の人までがテクノロジーにワクワク出来る場を作りたいと思っています!

清水CEOが語る、意志社会の到来とは?

 


–テクノロジーのオリンピック、、、楽しみです!関係すると思うので、よく清水さんが掲げている「意志社会」について教えてください。

日本政府によると今の社会はSociety 4.0と言われていて、今後はSociety 5.0になると言われてます。順を追って説明すると、Society 1.0は獣を狩って食べていた狩猟社会。2.0は農耕社会、3.0で工業社会、4.0で今の情報化社会。これは人類の進歩そのものです。そして、僕はSociety5.0は、「意志社会」になると信じています。

常に人類は危機を突破してきました。狩猟社会の時は食料が安定的に取れず餓死する人が出ていましたが、農業技術によって食料を安定的に確保出来るようになった。しかし、嵐のような自然災害によって安全が脅かされる。それが工業社会によって守られるようになった。次に、繋がりや承認欲求のような気持ちが、情報社会によって守られるようになった。今は世界の情報を簡単に知ることができるし、食べ物に困らない、嵐がきても命はなくならない、人と繋がりたいと思えばSNSを開けば自分の存在が認められる。

では情報社会において何が課題なのかというと「意志を持って自己実現」できている人が少ない事が課題ではないかと、私は考えています。「こうなりたい、こういうことがやってみたい」、「今やっていることが楽しい」、というようなココロが満たされる社会がまだ出来ていないので、そこを乗り越え、自分がこういうことが好き・やりたいということに気づき、それに向かってチャレンジできる社会。それが一人一人が意志を持ってイキイキと生きられる社会、つまり「意志社会」です。

この意志社会に人類は着実に向かっています。「エモい」という言葉が流行っているのもその兆候と言えるでしょう。「エモ」とは気持ちが動くという事であって、今後ストーリーに価値が宿る時代になっている。そのようなエモさ・意志が最も重要で、一人一人のココロが満たされる社会こそが、僕らが考えているSociety5.0「意志社会」です。

 

 

–意志社会、素敵ですね。楽しく働く人が増えそうでワクワクします!テクノロジーは意志社会に対してどのように影響を与えるのですか?

まず、意志を持つのは、とても難しい事です。ただ、僕らが信じているのは「対話(コミュニケーションテック)」の力です。人は対話を通じてやりたいこと・好きな事ややりたい事に気付いていくので、対話は非常に重要です。僕たちはこの、人が持つ対話の力を機械に授け一人ひとりに届けるチャレンジしています。コミュニケーションを科学する、それがコミュニケーション・テックです。さらに、“体験・思考”をする事も非常に重要だと考えています。

体験という点であれば、例えばXRというテクノロジーが新しい体験を作ると考えられます。海外旅行に行き、「考え方が変わった」と言う人がいますが、今までそれは海外旅行に行く経験が出来る人だけが可能な体験でした。しかしXRの発達によって誰もが海外旅行の体験ができるようになり、その経験によって変わろうと思える人が出てくれるでしょう。

また、思考という点であれば、例えば、自動化のテクノロジーが思考の時間を作ります。
今後、自動運転の技術が発達すると、今まで運転に費やしていた時間を他の事に使えるようになります。すると、今まで自分が思考を奪われていた時間が自分に返ってくるので、考える時間が出来る。自動化は人の考える時間を取り戻す手助けになります。私の親父はトラックの運転手なので、自動運転が実現すれば親父も色々考えるんだろーなと思います。「息子は一体何をやってるんだろう」と。笑

様々なテクノロジーが人の体験を変え、考える時間や気づきを増やし、人の可能性を開いていきます。僕達はこの壮大な社会のアップデートを自分たちの言葉で「日本をぶち上げる」と表現しています。日本をぶち上げるという事は「意志社会を創ること」だと思っています。

 

1人では社会は変えられない、だから総力戦でぶち上げる。

 

 

–今回のiNTERFACE SHIFTで、ZEALS一社だけでなく、様々なテック企業の方々を呼んで日本をぶち上げようとしている背景についても教えてください!

テクノロジーは一つで成り立っているものではなく、例えばそのiPhoneも全ての技術の集合体だと考えているからです。沢山の方々がそこに汗を投じて、より多くの人々を幸せにしようと考えているわけです。だから、XR、ブロックチェーン、AI、VUIといったそれぞれのテクノロジーを自分たちの領域、企業という壁を超えて、繋げいていくのか、どうやって一つにしていくのかを考えました。自分たち一社で出来る事は限られている。だからカンファレンスの形式もZEALS主催ではなく、iNTERFACE SHIFTカンファレンス実行委員会を設立して運営しています。

今回「日本をぶち上げる」とをテーマにしていますが、僕達は必ずfrom Japanの産業革命を興したい。だからこそ、それぞれのテクノロジーがバラバラではなく、一つの繋がることでiNTERFACE SHIFT、次なる産業革命が興ることを、このカンファレンスを仕掛けることで世の中に伝えたいと思っています。

 

–今の日本だと、いい大学に入って、いい会社に入る事が幸せという考えが刷り込まれている事が大半です。その中でいきなり「これからは意志社会で自分たちで考え決断しなければいけないですよ」と言われても難しいのではないかと思うのですが、ここをどのように考えていますか?

人と人が理解し合うには対話しかないと思っています。例えば中国を嫌っている人がいるとしても、その方が実際に中国に行き、中国人と友達になれば考え方が変化すると思います。政治家の方もよく対話が大事ですと言うのですが、結局今までの対話とは一対多の構造でしかなくて、双方向で行うことは技術的に困難で相互理解に至るのは困難でした。
僕達が取り組むチャットボットは、まだ実現したい未来のほんの1%ほどでしかないですが、これを進化させていくことができれば、将来ドラえもんをみんなに届けることができると思います。そうなれば、自分がどうしたいか分からず悩んでいる人に、対話を通じて気づきを与え、背中を押された人が、一歩踏み出せると思っています。今はそこまでの対話を、機械が行うのは難しいですが、この、機械に対話の力を授けるチャレンジが非常に重要だと思っています。

これは未来、教育の形すらも大きく変えていくと思います。今は生徒30人に対して先生が1人ですが、価値観がこれだけ多様化してる時代にいつまでもこの形で一人ひとりの意志が育まれ、個性を活かしたチャレンジが進んでいくとは思えません。一人ひとりにパーソナライズされた対話のできる相棒(機械)を届けることが、それぞれの意志を育み、自己実現を果たしていくワクワクする社会へ繋がっていくと思います。

 

日本をぶち上げるため、テクノロジー領域にもっともっとチャレンジする人が増えてほしい

 

 

–最後になりますが、Q-SHOCKを読んでいる皆さんに一言ください!

小さい頃って誰でもドラえもん好きですよね、例に漏れず僕も大好きでした。小学校2年か3年くらいの時に自分の将来の夢を書く際にドラえもんが好きすぎて「ドラえもんをつくる」と書いていました。その時にテクノロジーのテの字もわかっていた訳ではないですが、ドラえもんが最初に出会ったテクノロジーでした(笑)

専門を卒業して、飛行機や高炉を作っていた時には、日本の技術力は製造業において本当に日本は世界一で、その領域にいるみんなが世界一である事に誇りを持っていたし、技術のコンテストでも賞を総ナメでした。自分もその中にいて、ものづくりにおいて日本は圧倒的に一番だ!凄いんだ!と思ってました。

しかし、そこからお金を貯めて大学に入学して起業しインターネットの世界に入ると、日本は全くもってNo.1じゃない。それどころか周回遅れです。ものづくりの領域は、グローバル化の加速もあって日本人が船一台作る毎に赤字でした。そのくらい重工業は日本人が作ると割に合わない構造になっているんです。だからITの領域にどんどんお金が流れていて、進化はそこにあるにも関わらず、その中で日本は技術が負けてるとなると、これはえらいことじゃと思いました。

だから、今どう考えてもテクノロジー領域にもっとチャレンジする人が現れないといかんと思います。
かつて池田隼人元総理大臣が国民所得倍増計画を実行するにあたって、まず製造業・重工業の領域にとにかく若者を送り出すために国策で、専門学校という新しい仕組みを作りました。若くて未来のある人たちをどんどん成長産業に送り出し、その産業を思いっきり伸ばしてきたことで今の豊かな日本があります。今一度その位の覚悟を持って、労働人口がどんどん減少している日本から、次なる産業革命を実現するためにたださえ少ないリソースを集中させるしかないと思います。スタートアップと一緒でリソースがないなら集中投下するしかない!

最後になりますが、ぜひ皆さんも、iNTERFACE SHIFT 2018にきてください!
課題先進国日本。課題は発明の母。この国は次なる産業革命が興るポテンシャルを秘めています。一緒に日本をぶち上げましょう。

by
早稲田大学大学院卒の27歳。 Tokyo XR Startups、レオス・キャピタルワークスにおけるインターンを経て、早稲田起業家養成講座に触発されDARSと共にQ-SHOCKを開始。現在は、for Startups, Inc.でヒューマンキャピタリストとしても活躍中。趣味は読書とカフェ巡り。ビールが大好き。
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