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インターネットの限界を知ったいま“meets new”の存在意義とは

楽しく働く人を応援するメディアQ-SHOCKをご覧のみなさんこんにちは豪Uです。今回はmeets newを立ち上げられた河野涼さんと金田謙太さんにタカタタンがインタビューしたものを編集させていただきました。お二人のこれまでの経緯やmeets newについてお話していただきました。

 

プロフィール

 

河野涼(Ryo Kawano)

1991年宮崎県生まれ。株式会社オプトに入社。日本のモノづくりを発信するメディアJapan Madeを立ち上げ、その後金田謙太とともにmeets newを設立。

 

金田謙太(Kenta Kaneda)

1992年北海道生まれ。大学時代を海外で5年間過ごし新卒で株式会社DeNAに入社。その後SHOWROOMにて海外事業に従事し在籍中にインバウンド観光客を撮影するサービスTOKYOGENICを幼馴染と立ち上げる。

 

二人に共通するビジョンを見据えた決断力の早さ

 

 

ーーお二人ともメガベンチャーに入って半年くらいで転籍届けを出されていますが、どういう希望を思い描いて入りその後、転籍届けを出されたのですか?

 

河野涼氏(以下、敬称略):就活の時には、自分の考えやアイデアがそのまま仕事になる、自分自身が価値になるような仕事がしたくて、広告や人材、インターネットサービスの業態を見ていました。

そのときにサイバーエージェント藤田晋社長が書いた『渋谷で働く社長の告白』を読み、ネット広告の世界観を好きになり、そこで内定をもらったオプトに入りました。

私は会社でも活躍している方を多く輩出している部署に配属させて頂いたのですが、自分のやりたいことと少しギャップを感じ、勇気を振り絞って、異動届を出しました。 自分の感情に素直になって、そこに熱中して働いた方が3年後の動き方や身についている力が全然違うと思ったんです。

金田謙太氏(以下、敬称略):私はもともと大学が海外だったので日本の新卒採用のレールに乗ることができず、自らコンタクトを取った会社の面接を受けていました。

アメリカの大学に長く通っている優秀な学生の特徴は、もちろん例外はあるものの①アメリカに残る②外資系企業に行く、の2択だと感じています。これでは海外で学んだ知見が日本の資産になることはない。私はその動きを断ち切りたいと思い、外資に行かず日系に行くと決めていました。

DeNAに決めた理由は明確で、ロジカルな考え方、つまり左脳力をつけたいと考えていたからです。数ヶ月間働き、もう一度海外に戻ろうかな、、、と考えていた時にご縁がありSHOWROOMの前田さんとランチをご一緒する機会がありました。

そこで丁度、事業を海外展開していく話を聞きまして、SHOWROOMに出向することに。 というのも日本に帰って来てから達成したいことに、日本のプロダクトを世界に出すことがあったからです。 当時DeNAではかなりドメスティックな事業に携わっていたので、前田さんから「本気で海外市場を狙っていく」というお話があり、自分の意思とうまくマッチしたことが決め手でしたね。

ーー良いと思ったらすぐに行動に移されるのが素敵ですね。転籍後のお話をお聞かせください。

河野私は、オプトで一番尊敬している方がタイミングよく新会社を設立するとのことだったのでそこを希望して異動しました。最初はとにかく数字を作ることをミッションとして与えられ営業に専念しました。

当時、オプトはヤフーやグーグルなどの大きいメディアに関しては注力し、営業戦略を描いていましたが、スマートニュースやグノシーなどの新興メディアを押さえきれておらず、仕入れの段階で他のネット広告代理店などに差をつけられてしまうこともありました。

私の異動した新会社では、新興メディアやこれから来そうなメディアとのリレーションを築きながらそれらを浸透させ、広告の運用やレポーティングを担っていました。 そんなオプトの新たな強みを作っていくことに刺激を感じていました。

 

二人の出会いは偶然それとも必然?

 

 

ーー独立するまでの経緯についてお聞かせいただけますか?

金田独立を決めた理由は様々あります。あえて2つに絞ると1つ目が心が躍るワクワクさ、2つ目が仲間の存在です。

まず1つ目に関してはSHOWROOM在籍時に幼馴染と、インバウンド観光客を撮影する「TOKYOGENIC」という撮影サービスの立ち上げ経験が大きなきっかけとなっています。自分が考えた仮説に対してアクションを設定し、実行していく、その結果お客さんが喜んで対価を支払ってくれるという体験には何にも変えられないワクワク感がありました。そこで自分で新規事業を展開する楽しさを知ることになります。

そして2つ目ですが、やはり涼との出会いが強い動機につながっています。共通の友達から気が合いそうだからと涼を紹介され、そこでビビっと感じました。漠然とですが、二人で何か新しい価値を世の中に生み出せるのではないかとイメージができたんです。そしてその価値が日本文化に重要な影響になることも。

河野営業に1年半従事した後に、私は日本のモノづくりを世界に発信するJapan Madeという動画メディアを立ち上げました。初心者の状態から動画のカメラマンになり、メディアをグロースさせ、1年経ったタイミングで一時的な黒字化に成功しました。短期間で多くのことを経験したと同時に、モノづくり業界への熱が増し、もっとそこにインパクトを与えられるようなことがしたいと思うようになりました。

JapanMadeが扱っているのはモノなので、触ったり使ってみたりしないと、本当の良さは伝わらなかったりするんです。インターネット上の動画だけでは、どこか職人さんに還元しきれていないというもどかしさもありました。

そんな中謙太と出会い、色々な話をしていく中で、謙太とならモノづくり業界の可能性を広げられるのでは、そして新しいコトが生み出せるのではないかと思うようになったんです。正直かなり悩みましたが、 どうせ人生一回だから死ななきゃ大丈夫だという思いに至り、年末に「一緒に会社をやろう」と告白しました(笑)。

ーー金田さんはいつか告白されるというのはあったのですか?

金田いや、私は言われる前からもうやるものだと思っていました(笑)。そこに言葉すらなかったものの意識の中では一緒にやると思っていたので言われた時は特に驚きはありませんでした。

 

チームとしてやる意義は、多様な価値観を受け入れられる事

 

 

ーー運命的な出会いですね!お二人の役割的にはどのようになっているのですか?

河野役割は、特に決まっているわけではなく、進め方は片方が意見を言い、それに反応するという形が多いです。私から言い始める時もあれば謙太から言い始める時もあります。もちもん私たちは考え方は全然違います。しかしそれはそれぞれの価値観であるため、お互いが寄り添えるようなポイントを擦り合わせて見つけていけるような関係性を築いています。

金田常日頃意識している事ですが、全く同じ考え方を持つのであれば、そこに二人いる必要はないんですよね。チームのあり方として、多様な価値観をいかに新しいバリューに繋げるかが重要だと思います。多角的な視点があるからこそ出るソリューションがあり、それが何かしらの考え方に偏ってしまうとチームである必要がないと考えています。

 

meets newはブランド名でも会社名でもなく「現象」

 

 

ーお二人がやろうとしているmeets newとはどのようなことなのですか?

河野既存の文化やモノ、コトの中には、素晴らしい要素が絶対に存在します。その要素を、愛を持って抽出して私たちなりに新しく表現し、新しい文化や未来の形、人に繋がっていく、、、この一連の流れ自体を私たちはmeets newと定義しています。単なるブランド名や会社名ではなくて、現象のことを指しており、この現象を作り続け、生み出していくことを目指しています。

私たちのミッションは背景や物事のストーリーを伝えて本来持っている価値を最大化させるということです。私たちの存在意義は、この現象をビジョンとミッションに基づいて作り出していくことです。 主に二つの事業があります。

一つは自社ブランド事業で、デザインから販売までを担います。私がもともと持っている職人さんとの繋がりを活かし、その技術を使って海外向けに製品をデザインします。モノは売れなくては意味がありません、しかしその一方で、海外への発信の仕方、デザインのノウハウが全くないため私たちがそこをサポートします。謙太の海外での経験や繋がり、マーケティングの知見、そして、海外の人の感性に対する理解があるため、2人の強みを活かしたつつブランドを目指しています。

二つ目はコミュニケーションデザイン事業で、企業やブランドの思い、背景を私たちが汲み取り、デザインに落とし込んでいます。例えばブースのデザインや空間プロデュース、動画や写真など、あらゆる手法を使って、ストーリーを私たちなりに表現しています。

もともと空間を持ちたいと思っていて、ゆくゆくは海外で店舗を持ちたいという話をしています。私たちは空間こそ最強のメディアだと思っています。それによって、日本の良さを海外の方にもっと伝えられると考えています。

金田先ほども申し上げましたが、私の個人的なミッションに日本のプロダクトを海外に出し、日本のプレゼンスを上げていくことがありますので、meets newの自社ブランド事業でもここはブレずに行っております。

ただこれを非テックでやるとは思っていませんでしたね。 インターネットが大好きだったので、元々はITの世界で行っていくつもりでした。とは言えリアルで展開されるビジネスも凄く好きなんです。 実際に人との接触があるので、お客さんのリアクションを直接感じられるのは本当に温かみがあります。

それから涼も話していますが、リアルこそ最強のメディアなんですよね。インターネットでは表現しきれない世界がリアルにはあるんです。人間本来の感覚に響くというか。

河野私も謙太も、「インターネットが大好きだからこそ、リアルの重要さに気がついた」というような話はしています。

ーリアルの重要さとは具体的にどのようなものですか?

金田感情に訴えかけるという点において、インターネットの限界を知ってしまったんです。画像や動画などのメディアがありますが、やはり人間はものに実際に触れてそこで感情が動くと思っています。

画像で見るのと触るのとでは情報量は驚くほど違いますし、接触がないと感情の起伏は最大化されないということをインターネットの世界にいたからこそ見つけました。

また、海外の方に日本の良さを伝えたいと思った時、触れ合いをさせたり、会話で理解したりするのが最適な手法だと感じました。これをすることで海外の方が心を開くスピードが圧倒的に早いからです。

河野本来私たち人間が大切にすべきことを、インターネットやSNSが発達したことによって気づかせてもらっているなと感じます。

 

起業を通じて伝える「我慢しなくていい」という事

 

 

ーー先ほどお二人とも教育をやっていきたいというお話がありましたがそれはどうしてですか?

金田私は海外と日本とで教育を受けましたが、相対的に見て、日本では疑問を持たせない教育だと思います。 例えば教室の中でいうと、日本の教育は基本的に一方通行ですよね。

例えばアメリカではコンサルティング会社の社長さんなどが大学の教授をやっていたりすることが多くあるのですが、そんな方に対して何も知らない学生が意見をしっかり言うんですよ。「先生それ超おかしいよ!」って(笑)。これこそ教育のあるべき姿だと思っています。

有無を言わせない一方通行のコミュニケーションではなく、学生側が自発的に疑問を持つような教育のやり方にならなければいけないと思っています。私は先生になるつもりも教授になるつもりのないですが、事業をやっていくなかでそんな学生の姿勢を作っていければなと。

学生が疑問を持ちづらかったり、新しいことをあまりやりたがらないのは大人が見せてあげないからだと思うんですよね。私たちの働き方や事業から色んな人たちがいるんだよ、何でもやってみればいいんだよと伝えたいです。

河野私も大枠は同じです。「我慢しなくていい」というのと「選択肢を増やすことの大切さ」を伝えたい。日本には、やりたいことや好きなことがあるはずなのに、なんとなくやりづらい風潮があると思っています。

例えば転職するとしたら「今の会社の人に迷惑かけちゃうから、、」とか「親が、、」とか。これは全部我慢なんです。 みんな理由もなくダメだとかこのルートが正しいと思ってしまいがちですが、もっと好きな事をやって暮らせばいいと僕は思います。

なので、そのように考えてしまう人の選択肢を増やしたいと思っています。 日本の教育はルールを守りなさいということは口うるさく教えられるため、それをしっかり守れる人はたくさんいます。しかし、なぜそのルールが存在しているのかは全然知らない、そもそも疑問を持つことに制限がかかっていて、結局何かを我慢しながら働いていたり、違うことをしていたりすると思うんです。

人生一回しかないんだから自分の好きなことやっていいし、我慢することはない。だから私たちも我慢せずに起業して、好きなことややりたいことをやっています。この我慢しなくてもいいということを伝えたくて、だったらそれを自分が体現しなければという思いは強いです。

 

meets newでやることは他にはないという確信

 

 

ーお二人の今後のビジョンについてお聞かせください。

河野組織を大きくするというのはあまり考えていませんが、オーシャンズ11のような組織を作りたいとは思っています。それぞれの分野のスペシャリストがいて、すごく個性があるけどチームとしては最強みたいな。これは少数でも作れると思っていて、そのような膨らまし方ができればと考えています。

金田自社ブランドを広げていくことはもちろんですが、コミュニケーションデザインに関しては私たちができるアウトプットを大きくすることで人々の幸せを広げられるのではないかと考えています。

今後、世の中のサービスは早いスピードでコモディティ化していき差別化を図ることが更に困難になります。しかし、背景、つまりストーリーこそが、消費者の心を動かす優位性であり、そのストーリーをデザインしていく事業というのはすごく意義のあることだと思います。

私たちのやっていることは既存の代理店やPR会社が行わない独特な手法で行っています。それを、今後チームとして少しずつ広げて世に与えられる影響も大きくしていきたいと思います。

by
法政大学キャリアデザイン学部2年 現在Q-SHOCKのSHOCKERとして活動。 趣味はドライブとプロ野球観戦。
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