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「シェアリングというよりもモビリティ分野のサービスです」アイカサ丸川氏が目指す世界観とは?

みなさん、こんにちはDARSです。

突然ですが、現在国内では年間に約8000万本ものビニール傘が廃棄されていることをご存知でしょうか?傘って邪魔になりますし、雨が降った時以外役に立ちませんよね。購入して利用し、紛失したり捨てたりした経験を誰もがお持ちかと思います。

今回は、そんな社会課題に目をつけ傘のシェアリングサービスをされている方に取材をしてきました。大学中退をして起業するという異色の経歴を持つ丸川さんに、サービスについてはもちろんのことキャリアについてもお話をたくさん伺いました。是非お読みください。

 

プロフィール

 

 

丸川照司(Shoji Marukawa)

 

24歳。台湾と日本のハーフで4割ほどシンガポールなど東南アジアで育ち中国語と英語を話せる。小学校1年生からシンガポールで5年間過ごす。帰国後に18歳の時にソーシャルビジネスに興味を持ち、社会の為になるビジネスをしたいと志す。19歳の時に子ども目線の反抗期カウンセラー、20歳に株式会社ノジマでセールストップ10、その後マレーシアの大学へ留学や輸入販売を行った。在学中に中国のシェア経済に魅了され、最も欲していた傘のシェアリングサービスを大学を中退して始める。現アイカサ代表、夢は財団を作ること。

 

大学中退して傘のシェアリングサービスを始めた理由

 

 

ー丸川さんは大学中退して起業されたんですね。何かきっかけがあったんですか?

駒崎さん(NPO法人フローレンス代表理事)と家入さん(CAMPFIRE代表取締役)に感銘を受けて、ソーシャルビジネスで何かできないかなと思って始めました。

休学後に学費も自分で払っていたので、そこから家電量販店のノジマにアルバイトとして入って学費や生活費を貯めるために学生生活の傍らで月最低100時間は働いていました。

 

―勝手なイメージですがノジマって結構時給が良かったりしたんですか?

通信部門に配属されましたが、当時ケータイが必須だったので時給は良かったです。

販売がメインの業界だったので、売上とかがすごい数値化されていました。例えば、1日に接客した回数、販売した商品、取扱商品全てがパーセンテージ化されていて、それを全社と比べられてランキング付けがされていました。そこで色々学びましたね。

 

―大学生のうちに営業経験や販売経験を積まれていたんですね。

はい、偶然同じ店舗に昔全社で売上トップを獲った方がいて、その人に色々教えてもらいました。それもあって、自分も7ヶ月目くらいに全社トップ10くらいに入ることができましたがそれ以上は狙うことを辞めました。ちょうど同じ時期に大学をやめたいと思って、マレーシアへ行きました。

マレーシアへ行ってからは、インターンをしながら、日本のカメラ部品などの輸入販売もしていました。

その際に中国のシェアリングエコノミーの情報を常に聞いていまして、そこで傘のシェアリングエコノミーがあると良いなと思いました。

日本で同じことをやっている人はいないかと日本のシェアリングエコノミーについて調べてみると、その頃ようやくメルカリさんやDMMさんが自転車をやるっていう流れがありましたので、大学を辞めて傘のシェアリングエコノミーを始めることを決意しました。

 

―シェアリングエコノミー言っても色々あると思うのですが、その中で傘を選んだ理由ってなんですか?

そうですね、世の中買いたくないものって少ないと思うんですが、特にビニール傘を買いたくて買う人はいないですよね。大学生とかでびしょ濡れになって家まで帰った経験とかって誰しもがありますよね。それを借りられたら便利だなって思ったからです。また、国内で傘が約8000万円も買われている事実を踏まえると、アイカサを使ってもらうことで景色を変えられるんじゃ無いかと考えると燃えてきたんですよね。目に見えて自分のして来た成果がわかりますからね。

 

アイカサがもたらす価値は傘の無駄排除の他にも多数。サービスについて丸川CEOが語る。

 

 

―アイカサって月額420円ですよね。他のシェアリングエコノミーと比べて、単価安めだと思うんですけど、ぶっちゃけビジネスとして成り立つもんなんですか?

そうですね、確かに傘の難しいところでもあります。でも、そこはうまくやればうまくいくといくと考えています。、傘って実はサブスクと相性良かったりするんですよ、今日雨降るかもしれないからって感じで保険的な役割があるので。1000本とかだと利益を生みませんが、3万本とか10万本、100万本とかになってくるとそれなりに利益を生むようになるんですよ。

 

―ありがとうございます。そういう試算なんですね。それだけ傘マーケットはポテンシャルがあるんですね!

あとは結構気軽に手に取って欲しいっていうところもあって、使っているうちに「これ便利だから普段傘持つ必要がないや」と感じて欲しいです。傘を持たないで街に出ても降ったらじゃあ借りればいいっていうような習慣も作りたいので安くしました。市場自体はビニール傘で約400億あるので、なんかしらできるのではないかと確信はしております。

また、傘って1つの家に平均3.4本くらいあるらしいんです。東京都の平均ではに5本以上あります。恐らく、常に家に保有する数字がそれであって、普段忘れたり無くしている数の方が同様の数あるような感じで、もっともっと日本には傘があると考えています。

 

―すごいですね!また、折りたたむ傘を普段から持ち歩くようなマメな人というより、ビニール傘を都度買ってしまうちょっとズボラな人には待ってましたと言わんばかりのサービスですね。

そうなんです。私もズボラなので、特にズボラな方には喜んでもらえるサービスかと思います。

 

―先ほどまではアイカサユーザー向けの話でしたが、店側にどのようなメリットがあるんですか?

今までお店に来る機会がなかった人とお店の接点ができることです。そのお店で傘を一回借りた人って、恐らく今後も借りる機会ができて、通う習慣ができるんですよね。

例えば、傘を10回借りる場所がカフェだったら、「今日は休憩していこう」とか、「ランチ一緒に食べていこう」いうキッカケづくりができるのは強みです。傘自体は小さいので、他のシェアリングサービスに比べて設置面積がとても小さいんです。狭いお店でも40本くらい置けたりするんですよ。そうすると、雨の日借りに来る返しに来るで80回くらい接点が生まれます。なので、接点の数が他のシェアリングサービスに比べて圧倒的に多いです。

 

―お店からしたらお金かからないんですよね。あんまりデメリットとかなさそうですが、設置に際してどんなことがネックになるんですか?

傘自体が乱雑にお店の前に溜まっているお店ってあるじゃないですか。飲食業界の方からするとそれはNGらしく、綺麗な傘であろうと玄関の前に置くのは印象がそんなに良くないとか。晴れの日に使わないものを出しっ放しにしとくのは気になる方もいるそうです。

 

―アイカサさんの傘は、傘メーカーから仕入れるみたいな感じになっているんですか?

いや、完全に私たちがゼロから作っています。傘には特殊な機能があるので、そこには特許の出願もしました。特殊な機能については後ほどお話ししますね。

これをお店側には無料で置かせていただいて、導入費とかは一切かからず、置いて使われたら場所によってはレべニューシェアって形でお店側に何パーかの利益が入ります。例えば今回、渋谷で合計1000本、最初は600本から様々な場所に置くんですけども、600本使われるだけでも、その日に消費されるはずだったビニール傘の本数が結構減ると思うんですよ。

 

―いいですね。一方で、中国のレンタル傘が結構盗まれる事案が多発しているらしいんですが、そういうことの対策ってどんなものを考えていますか?

中国の場合、第一に国民性が大きく影響しています。チャリもそうなんですけど、結構厳しいんですよね。作っても回収する前に壊れちゃうことが多いので、難しいですね。ただ中国には私たちのような傘のシェア会社が15社くらいあるんですよ。そのうちの2.3社くらいは駅と組んでたりしてうまくやっていますね。

そして、盗まれる対策がちょうど先ほど触れていた特許のところなんです。傘に鍵をつけているんですよ。

 

―その鍵ってどういう仕組みになっているんですか?

暗証番号を入れないと傘を開くボタンが押せなくなって傘が開かない仕組みになっています。

 

―他のビジネスモデルの展開なんかっていうのは考えられてたりするんですか?

1個はスポンサードで、tenki.jpのロゴを傘に入れています。他の活かし方として、例えば傘をカルピスの水玉模様に全面しちゃうとかは一つのキャッシュポイントです。僕的には観光地で和傘の展開をしたいですね

 

―アイカサのシェアを広げることによって実現したい世界観的なところって具体的にどんな感じになりますか?

傘使う時ってモノのシェアってあんま捉えておらず、モビリティの分野に入ると考えています。傘を使う瞬間は人が移動する瞬間なので、移動する瞬間から、「あ、雨降ってるどうしよう」とスタートからモヤモヤしますよね、それが、アイカサがあればシームレスに行くと思うんですよね。ここで気持ちいいスタートが切れる。なおかつ、環境にもよくて目的地につける。そんな雨の日の移動を快適にする価値を提供したいですね。

 

「販売接客のバイト経験がスタートアップで活かされている」丸川さんのキャリア

 

 

―話題が変わるんですけど、キャリア的なところでいろいろ伺えればと思います。初めてお金稼いだ経験はノジマでのアルバイトですか?

バイトで高校3年生の頃、焼肉屋さんで働いたのが初めてですね。 その頃にいろいろ知って楽しかったですね。

 

―ご活躍されてる方を取材していて思うのが、アルバイトとかでも周りの人と比べて、、得るもののレベルが違うイメージがあります。当時得たものなどについて教えてください!

焼肉の時は本当に初めてバイトでして、あたふたしてましたね(笑)

ただ、一生懸命やってると個人経営のお店だったからか、常連さんとかが覚えてくれたりするうちに、飲み物出すの忘れたり何かしらのミスをしても許してもらえる関係ができましたね。優しくされているのでお客様にもいい思いをしてほしいと思い

だんだん慣れてくると、「次は何できるんだろう?」という思考になりました。例えば、箸を落とした音がした瞬間に箸を届けるだとか細かいところにまで気が回るようになってきて、そういう事をしているうちにチップで5000円をもらうこともありました。今の日本だと珍しいからこそ嬉しかったですし、自信になりましたね。

ノジマでは、初めて体系化のすごさを感じました。先ほど話した数字管理もそうですが、自分の立ち位置を見ると自然にモチベーションが上がるんですよね。

あとは何より、言い回しや雰囲気で全て変わるんだなとということが分かってきました。その頃色々なお店にも手伝いしに行ったりしていたので、日頃プライベートでお店に行っても、すぐに売れているスタッフとそうでないスタッフの違いがわかるようになってきて、それを参考にアレンジもしました。ただ、仕事ができる方から言われた通りにやって見るのが一番効果として現れるのはびっくりでしたね。

 

―そういった販売系や接客系の仕事が、今の社長という立場としてやっていてどのように活かされていますか?

特にノジマの経験は役に立っていています。今私たちが営業をしている店舗さんって連絡手段がないんですよね。だからもう直接お店に入っていくしかありません。お店さん側からすると一日に何件も営業が来る中で、「お店に傘置きませんか?傘のシェアやりたいんですけど…」ってよく分からないものを一から説明したりするのは、なかなか根気が必要です。

そこを嫌がらずに楽しめるようになったことはとても活かされています。そういう風に思うと、伝染してお店の方々も楽しいって思うんですよ。そうなればよりOKって言ってもらえますし、むしろ協力してもらえますので大きいですね。

 

―同世代や若い人とかに対して、キャリアの部分でで言いたいことやアドバイスをお願いします!

基本的に大学行くことにあんまり賛成していません。もちろん行った方がいい人はいますが、学びに行くっていう目的がちょっと微妙な気がします。また、奨学金とか使うと、行くだけで400万くらい借金するケースがあり、そうなると社会人になって借金できなくなるため選択肢が減ります。

アメリカにはギャップイヤーという制度があります。卒業後に進学や就職をせずに、自由に過ごす時間です。日本の学生も卒業して大学行く前に1年間くらい空白作って、色々と社会と接点持ったり企業を見たりしてもいいんじゃないかと思います。

 

DARS by
明治大学経営学部卒業後、2014年に大手人材系企業に入社し、転職サイトを中心とした中途採用領域のセールスを経験。 現在はフリーランスとして活動しており、早稲田大学起業家養成講座への潜入をキッカケにQ-SHOCKをタカタタンと立ち上げる。
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