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有名ラーメン店、麺屋武蔵の矢都木社長の「仕事は遊び」と考える仕事術

こんにちは!DARSです。突然ですが、みなさんラーメンはお好きでしょうか?日本人の国民食とも言えるラーメン。その中でも都内に14店舗あり、革新的なラーメンが人気を呼んでいるのが麺屋武蔵です。今回は、麺屋武蔵で社長をされている矢都木さんに取材を行いました。飲食業界の方への取材はQ-SHOCKで初めての試みです、ぜひみなさまお読みください!

 

プロフィール

 

矢都木 二郎(Jiro Yatogi)

埼玉県生まれ。城西大学卒業後、一般企業に営業職として入社するが、独立開業を目指して24歳の時に麺屋武蔵の門を叩く。3年後、27歳で、上野店店主に昇格。店の運営・経営を任される。2013年11月11日、先代社長からバトンを受け2代目の、代表取締役社長に就任。

 

起業志望だった矢都木さんが会社を継いだ理由は麺屋武蔵の独自文化の存在が。

 

 

–独立を目指していたものの、2代目社長になることを選択したんですね。

大学生の時につけ麺にハマり、自分のお店を持ちたいとずっと思っていて、30歳までには独立したいという思いで入社をしました。しかし、上野店の店主になった際に、会社という組織を活用してできることの大きさにとても面白みを感じて、わざわざ辞める必要はないなと思ったんです。独立をゴールと捉えていると独立しか道はないですが、独立を手段と捉えていたので、独立に拘る必要もないことに気づきました。麺屋武蔵は店舗によって味が違うので、店主が自分の求めているものを表現できますしね。

 

–店舗によって味が違うのって珍しいですよね。どんな狙いがあるんでしょうか?

店主に主体性を持ってもらう事です。一国一城の主となる事で「自由」と結果に対する「責任」が生まれます。

この事が、店主1人1人の個性と能力が最大限発揮される要因であると、麺屋武蔵では考えております。

また麺屋武蔵には「1杯にして1杯にあらず」という言葉があります。お客様は1杯のラーメンだけで、お店を判断していない。暖簾を潜られてから、出ていかれるまでの「時間」に対して対価をお支払いしているという考えです。「ラーメン」を通じて「最高の時間」を体験して喜んで頂く。商品は「最高の時間」を体験して頂くためのツールです。「商品ありき」の展開ではない為、各店主が「どうやったら最高の時間」をご提供できるか考え、商品開発をしております。

カリスマ店主からのトップダウンではなく、各店主によるボトムアップ型の店舗運営が弊社の強みと言えます。

 

 

ブランド価値経営の麺屋武蔵が今後目指す姿とは

 

 

–今後麺屋武蔵をどうしていきたいですか?

自分たちのブランドイメージである「革新的で上質」をもっと世界に浸透させていきたいですね。それをするとなると、今まではなるべく多く出店するのが一般的でしたが、現在ではSNSなどの普及によって出店をたくさんしなくても知名度は上げられます。ネットの世界はボーダレスなので、世界中に麺屋武蔵の名前を知ってもらう事が可能です。世界中の人が「東京に行った時は麺屋武蔵に行ってみたい」と思ってくれる状態になるようにしたいです。

あとはラーメン自体の単価を上げたいと思っています。実は日本のラーメンって世界で一番低単価なんです。日本人にラーメンは安いものだという価値観が根付いているからなんですが、このままでは従業員の労働条件が上がらず、ラーメン屋への就業意欲を持つ人が増えません。もっと最高の時間を提供し、しっかり価値訴求をして「値段はちょっと高いけど麺屋武蔵に行きたい」と思ってくれるブランドにしたいきたいですね。

 

–「値段は高くても行きたい」とありましたが、その観点でベンチマークしている企業とかありますか?

スターバックスですね。コンビニ行けば100円でコーヒーを飲むことができますが、みんな500円くらいのお金を払って、スタバに行く。スタバのカップを持って街を歩く、店内でMacをいじる、そう行った「体験」の中に、スターバックスの本当の価値があるのだと思います。これこそ味だけではなく、「時の体験」を提供していることですよね。そして、スターバックスがすごいのは店舗数があれだけ増えてもその価値を維持できていることです。

あとはメルセデスベンツです。こちらも性能だけで言えば、他にもいい車はたくさんあります。しかしみんな「ベンツのオーナーになる」という体験に価値を感じてベンツ車を購入している気がます。値段高いことがネガティブではなく、ステータスになっている感じですよね。

もちろんスターバックスにしてもメルセデスにしてもしっかりとした商品であるという事は大前提です。どちらの商品からも並並ならぬ「こだわり」を感じます。「体験」を売るから商品はおざなりでいいなんて事はありません。「本物の商品」からしか良い「体験」は生まれません。

 

仕事を遊びと捉える、矢都木さんの仕事論

 

 

–仕事をする上で大切にされていることを教えてください。

仕事の「オンとオフ」をなくす事です。365日24時間常にオンであり、オフでもあります。遊んでる時も飲みに行ってる時も頭のスイッチをオフにさえしなければ、そこでの体験が発想などにつながり仕事になっていきます。逆に仕事中も遊んでいるような感じです。

仕事を楽しめてる人は常にこの感覚のように思えます。

 

 

–素敵ですね。特に遊び心を発揮されたエピソードなどありますか?

一昨年、麺屋武蔵はありがたいことに20周年を迎えました。そこで記念メニューを作った時のことです。金のどんぶりに入ったラーメンを2000円で販売したんですが、実はこのメニュー原価は3〜4倍するものです。1度原価の事は一切考えずに最高のラーメンを作ってみようと考えました。車の世界で考えればF1のようなものですね、これはとにかく楽しかったですね。またいつもとは全く違う形で商品開発したので、多くのブレイクスルーがありました。いまでは定番の商品にも応用できているものもあります。「2000円のラーメン」を開発しなければ見えてこなかったことなので、やって非常に良かったと思っております。

 

–遊び心を持ってできない仕事って、今後機械化されることとか多いと思いますがどう思いますか?

どんな仕事でも遊び心を持って楽しむ事は可能かと思いますが、今後ロボットやITに取って代わるような仕事はたくさんあると思います。今は人手不足の時代となってますが、その分、技術革新して20年後くらいには「働く」という事が贅沢になる時代になるのではないかと思っています。

 

–Q-SHOCK読者に伝えたいことを教えてください!

仕事は自己実現の手段だと思います。仕事ってできないことを可能にしてくれるんですよ。大きい組織にいるとよりそれが可能だったりしますし、独立してフリーでやると、フットワーク軽くできたり立場によってメリットは異なりますが、仕事を通じてできることの幅の広さにもっと気づいて欲しいですね。

例えば営業活動も、自分の興味のある会社や人にアプローチをすることができますよね。そういうところに楽しみを持ってくれる人がもっと増えても良いかと思います。

あと、せっかく仕事をするなら楽しんでください。いくら休日が充実してても、仕事でつまらない思いをして過ごしてしまうと、1年のうち60%以上つまらない時間を過ごしている事になります。仕事を楽しむ事ができれば1年ほぼ全ての時間がハッピーになります。まずは「やらされている」ではなく「自らの意思で働く」事が大事だと思います。

あと、薦める人が少ないのであえて言いますが、サービス業や小売店での就職って結構面白いと思います。なぜなら、他の職種に比べ、管理職なるのが早いからです。会社のよって裁量権は異なるでしょうが、お店を任せられるという事は非常にやりがいがあるし、個人としても成長すると思います。

 

DARS by
明治大学経営学部卒業後、2014年に大手人材系企業に入社し、転職サイトを中心とした中途採用領域のセールスを経験。 現在はフリーランスとして活動しており、早稲田大学起業家養成講座への潜入をキッカケにQ-SHOCKをタカタタンと立ち上げる。
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Comment (1)
  1. 齋とう のり子 より:

    麺屋武蔵さんの新宿店が私の会社の近くであったことで、週に3〜4回通いました。毎日と言う週も有りました。ラーメン店でJAZZがかかって居たこと、壁には懐かしい邦画のポスター、他では見られない店内の雰囲気。それに加えて店員さんの機敏な動きと元気な声。惚れ込みました。
    それに今までとは大きく変わったラーメンの味。
    行列に1時間以上並んでも食べたい味でした。

    時間が無くなったのでここでやめますが
    応援して居ますね〜

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