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【給料2.0】 50年変わらなかった給料の歴史に革命を起こすPaymeの挑戦(前編)

Q-SHOCKをご覧になられている皆さんこんにちは。タカタタンです。

先日、資金調達を済ませたPayme後藤CEOに話を聞いてきました!

Payme構想の奥深さを存分に味わってください。

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プロフィール

 

(photo by jin)

後藤 道輝(Michiteru Goto)

代表取締役 慶應義塾大学卒業。1992年生まれ。East Ventures株式会社、株式会社メルカリ、株式会社CAMPFIREを経て、株式会社ディー・エヌ・エーに中途入社。DeNA戦略投資推進室での勤務を経て、2017年7月に株式会社ペイミーを設立。

後藤CEOが語るPaymeの社会的意義

-後藤さんこんにちは。早速ですが、現在行なっている事業についてお聞かせいただけますか。

給与即日払いの事業を行っています。

福利厚生のサービスを企業に対して展開し、従業員の方が給料日前にお金を受け取れるということをしています。

 

-それは急な出費が発生した際にめちゃくちゃ助かるサービスですね!

はい、ありがとうございます。大学生が4月から一生懸命働いても、5月25日に給料が支払われると、ゴールデンウィーク遊べないじゃないですか。

ゴールデンウィーク中に遊べるように、3万円下ろせたり、働くお母さんや、家事代行のお母さんが8月働いて8月にお金をもらえるのと、9月25日にお金を貰えるのとではかなり意味が違うじゃないですか。子供の夏休み中に貰えるお金と、終わった後に貰ったお金じゃ。

Paymeは、将来価値に対して、現在価値が異様に低く見積もられている人が、機会損失を起こさない為のサービスです。

“資源の偏りによる機会損失の無い世界を作りたい”というビジョンで事業を行っています。

その為に、名前もお金もない人が声を上げられるようなサービスを目指しています。

 

(photo by jin)

グラミン銀行からPayme構想へといたる後藤CEOの変遷

–Paymeの構想はいつ思いついたものなのですか?

ビジネスモデル自体は一年前に思いつきました。思想自体は高校生や大学生の頃からありました。 

まず、高校一年生の頃にタイのスタディーツアーへ参加したことがきっかけで、大学で開発経済を勉強しました。

カンボジアで井戸を作るとか、グラミン銀行でマイクロファイナンスを勉強するとか。

これらを通して、最終的に給料前払いに繋がりました。

ここにたどり着くまでの道のりは結構長くて、大学時代に開発経済を勉強する中で、インドネシアでインターンをすることがあり、その時、日系製造企業で働いていました。

ただ、300人いるカーテンレール工場でヶ月働き続けるよりも、トコペディアのような企業を自分で作った方がインパクトが大きい。カンボジアで井戸を掘るよりもユニコーン企業を作ったほうがインパクトが大きい。カンボジアで病院作ることも、もちろんいいですが、イーロンマスクがソーラーシティーを作った方が世の中にインパクトを与えられると思いました。そこで、国際協力という枠組みから離れて、投資家か起業家になりたいと思いました。

この時、「日本 インドネシア 起業家」と調べたら、トコペディアに投資をした河さんが出てきて、East Venturesに拾って頂きました。2015年春の事でした。

そこで頑張っていましたが、野球チームの監督のサポートをしていても監督にはなれない。

投資家のサポートをしていても、投資家にはなれないんじゃないか。自分は何者にもなれないのかもしれないと焦ってしまい、メルカリとCAMPFIREにアソシエイトとして出向させてもらい、気付いたら、中途入社でDeNAに入って、戦略投資推進室というところで働いていました。

戦略投資推進室は、DeNA全体にシナジーのある事業に対して投資や買収を行う部署です。

メディア事業にも関わっていて、マッチングサービスやレビューサイトの方々と関わることも多かったです。また、オンラインプログラミング学習サービスやVRのスタートアップともお仕事をさせて頂くこともありました。

そんなこんなをしている時に、本丸となるメディア事業がなくなり、白虎隊みたいになっちゃった訳です。

野球監督の手伝いもしましたし、プレイヤーも経験した。投資家サイドも事業家サイドもやらせてもらったし、買収も手伝わせてもらい、どうしようかと思っていた時に給与前払いを思い付きました。

メルカリで現金を買う人も見ましたし、キャンプファイヤーで資金集めの民主化も見ました。DeNAでプラットフォームのマネタイズも経験しました。

結局一番身近なお金ってなんなんだということを考えると、給料に行き着きました。給料は、末締め末払いというサイクルが、50年間変わっていないんですよね。オークションとか、ヒトモノカネのスピード感が早くなっているのに、一番身近かなお金である給料のサイクルが変わっていないのはオカシイな。ダサいなと。

 

(photo by jin)

50年変わらなかった給料の歴史をPaymeはどう変えるのか

–Fintechは流通量が大切と言われていますがPaymeさんはその辺どうなんでしょうか。

流通量の必要性に関しては、事業モデル次第だと思います。

ロボアドバイザーは利益率が1%以下。100億運用しても1億しか儲からない。

しかし、給与の前払いは、仮に3~6%の手数料で考えると、月次流通10億円で12ヶ月回

すと、年間の売り上げが3.6億から7.2億となり、ロボアドバイザーの30倍の回収率になります。月次流通10億をどう作ればいいかというと、2万人のコアユーザーが毎月5万円申請してくれればいい。

この計算の場合、メルカリなら1億ダウンロードで月次流通が150億ですが、Paymeの場合ダウンロード数が約100万でも30万人が5万円申請すると、月次流通150億となります。自分で言うのもなんですが、ビジネスモデルがかなりいいと思っています。

市場規模は、給料を受け取っている人全員かつ、時間軸のズレがあるところ全てが対象となるので、非常に大きい。対象ゾーンがとても広いと捉えています。

仮に、手数料が6%だとしても、4月にもらえる1万円とゴールデンウィーク後にもらえる1万600円、どちらの価値が高いかと言えば、前者だと思う人がほとんど。人間、今もらえる方に価値を感じる傾向が強い。これは、将来価値に対して現在価値低く見積もられている人たちに対して、自己投資をするイメージ。Paymeを自分の可能性を潰さないための投資のサービスとして使って欲しい。また、働いた実績分のみ受け取れるところが借金と比べると非常に有利なところです。だから、ネガティブスパイラルになる心配はありません。

 

–海外にはPaymeのような構想はないんですか?

ないです。なぜなら、日本の給料の仕組みが特別ダサいからです。

アメリカでは、2週間に小切手だとか当月払いが当たり前。中国やインドでも当月払いが基本です。

日本の労働基準法が制定された時は、朝鮮戦争が行われたりと、戦争業が中心で日本には工場で働く人が大多数という時代。第二次世界大戦が終わり、労働基準法が設定された時って、戦争業が中心だったんです。朝鮮戦争の特需で儲かった、と言われる時代ですね。

その工場の仕組みは、受注から生産、納品という流れに沿って月末に締めて翌月10日などにお金が入り、25日に手渡しで従業員に渡すということをしていました。それが、当時当たり前でしたので、末締め末払いが形骸化して50年間続いています。それに加えて、経理の習慣も続いているので、変えることが難しくなっています。

また、だからこそ僕たちは、50年間変わらなかった仕組みを大きく変えられたら、銀行にすらなれると思っています。

C向けのフィンテックサービスの一番の基本は、どうやってお金をチャージさせるか、ということ。

答えは2つだと思っていて、1つはメルカリのように物を購入してもらい、お金を貯めるということ。もう一つは、給料からお金をチャージすること。いずれも考えないでチャージができます。

割り勘のために5万10万チャージするのはためらう人も多いと思いますが、メルカリで数万する物を買うとか、働いた分の給料の一部を先にもらうことは、割り勘に比べて、障壁が低いと思っています。

メルカリの手数料は10%、僕らの手数料は3-6%です。消費税の8%よりも低い、みんなに優しいサービスです。

 

(photo by jin)

 

by
早稲田大学大学院卒の27歳。 Tokyo XR Startups、レオス・キャピタルワークスにおけるインターンを経て、早稲田起業家養成講座に触発されDARSと共にQ-SHOCKを開始。現在は、for Startups, Inc.でヒューマンキャピタリストとしても活躍中。趣味は読書とカフェ巡り。ビールが大好き。
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