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『キャズムを超える。リアルとバーチャルが融合するXRの未来。』gumi国光氏・Activ8大坂氏・クラスター加藤氏ら XRの先駆者たちが語る

XRおすすめ起業領域

 

 

—-学生さんの方もいらっしゃってて、今回の話を聞いて、何人かは実際に起業されると思うんですが、XRだったらこう起業したらいいんじゃない?という具体的なアドバイスを頂けますでしょうか。

 

国光氏

起業とかしたいと思ってる人多いと思うんだけど、様々な起業家を見ていると、特に若い子とかは、イノベーションの意味を勘違いしてる人が多い。

 

イノベーションを、全くなかったものを生み出す事だと勘違いをしている人がいますが、全くの間違い。今の世の中、全くなかったものはない。可処分所得・可処分時間は一定なので、何かに1万円を使うと何かの1万円を減らす事になるし、何かに1時間使うと何かに使う1時間が減る。

 

要は、既にあったものを、新しいテクノロジーを使って圧倒的に安くする、圧倒的に楽しくする、圧倒的に便利にするっというのがイノベーションなんです。

 

起業するといってもなかなかネタがない人が多いと思うけど、この10年間は起業にとってすごい良いタイミングだと思います。2007年にiPhoneが出てから、この10年間はスマートフォンの時代でした。振り返ってみると、スマートフォンが出てきて、成功した会社がやったことって、全くなかったものを創り出したことじゃなくて、今まであったものを変えたんですよ。

 

たとえば、メルカリでいうとヤフオクがすでにあった。でも、メルカリがやったのはスマートフォンならではのサービス。それを、圧倒的に安く便利にしていった。LINEでいうとPCチャットがあった。そこを、スマホというテクノロジーを使って、もともとメッセージや電話などお金が取られてたところを、無料通話にしたりして、圧倒的に安く便利にした。スマニューとかグノシーもそう。インスタグラムもそう。Uberもそう。タクシーなんて電話で呼べてたしね。でもそれをね、Uberはスマホってテクノロジーを使って、やっぱ圧倒的に便利に、しかもまあ安くしていった。

 

スマートフォンという新しいテクノロジーが出てきたから、今までの大きなものをディスラプトできるチャンスができた。逆に言えば、スマートフォンのおいしいところは、だいたい先人達が刈り尽くした。もうスマホには大したイノベーションは残ってない。すると、次のVR/ARにより、既存産業が一気ディスラプトされてくという未来が見えてきます。

 

だから、新しくビジネスを始めるには、VR・AR・MRは、このスマートフォン時代から新しい時代に入るど真ん中なので、皆が考えるべきなのは、VR・AR・MRを使って、既存にあったLINEを、メルカリを、ヤフーを、グノシーを、そしてスマニューを、インスタを、圧倒的に安くするか、圧倒的に便利にするか、圧倒的に楽しくするためにはどうしたらいいのか?考えると、新しいことが見つかるのかなと。

結論として、スマホ時代が終わって新しい時代に入る変わり目は、大きなチャンスだと思います。

 

スマホ時代からデバイスの変化が起きる今こそ起業のチャンス

 

–ありがとうございます。起業の敷居を下げる最高のアドバイスでしたね!実際に、VR業界の先端で起業された、大坂さんいかがですか?

 

大坂氏

VRはまっさらな市場で、物理的法則から解放された領域なので、新しいことを始めやすい。例えば、エンタメでいうとVRに最適化していくと、どんどんデフォルメされていくんですよね。もう記号で十分。我々の体の作りもそうですが、この世界の物体はすべて基本的には物理的な法則を前提としています。それがVRの中だと制約が一切ない。

 

では、どういう観点でVRの中にものを作ればいいかって言うと、脳にとってわかりやすいとか、脳が直接気持ちいいと感じさせるものがよくて、情報の伝達は最低限で良い、という発想になってくる。様々なものがどんどん簡略化されていきます。日本は、漫画・アニメ・ゲームに代表されるように、デフォルメが得意な国なのでバーチャルYouTuberを世界に先駆けて着手できたのだと思っています。

 

また、ビジネスでも、VR×エンタメは一番シナジーがあるところだと思っています。バーチャルYouTuber・キズナアイのファンは半分以上、海外のファンです。外貨を獲得できている。だから、XRに挑戦されたい方、VR×エンタメみたいなところで、起業を考えていただいても、いいんじゃないかと思います。

 

加藤氏

2人がtoCの話をしてくださったので、私からはtoBの話もしてバランスとろうと思います(笑)たとえば、例で出すと、従業員の教育、スポーツの練習、状況を再現しにくい宇宙での実務の練習だったり、技能を人間にインストールするっていうところに関して、VRが使われてビジネスが成り立っています。

 

スポーツで言うと、あの、アメリカはアメフトがすごいでかい市場なんですけども、アメフトのクオーターバック、『アイシールド21』を読んでらっしゃる方は蛭間のことを思い浮かべてほしいんですけども(笑)、一瞬にして、0コンマ1秒でどこにボールを投げるか、何百通りの中から選ばないといけない。それを、今までだったら紙の上だったり動画を見てどこに投げるかを思考訓練していました。実際に練習するってなると何十人っていう人間が動くのを何回も何回もやらないといけない。コストがすごい。VRかぶることによって練習コストが激減するじゃん。圧倒的に便利かつ、圧倒的にコストが下がるじゃん。

ということで、アメフトの練習にVRが使われるというのですでにビジネスが成り立ってる面白い例があるんですよ。

 

toC以外でも切り口を変えていくだけで、XRですごいコストが変わる場所っていうのは結構あるんです。なので、toB領域だったりとかでも視野を広げると結構いろいろ見つかります。

 

国光氏

おそらくVRの肝になってくるのは、リアルな自分じゃない自分になるってところに魅力を感じるかがすごく重要。この点で日本は進んでいます。

 

SNSとかやってて全員気づいてると思うのが、もうSNSはしんどいと思うんですよ。Facebookもしんどいし、LINEもなんかしんどいし、最近もうインスタもしんどい。しんどい原因の大きいところが、リアルな自分のアイデンティティと、リアルなコミュニティっていうところに、密接につながりすぎてて、皆が期待されている自分とか、皆にこう見られたい自分を演じなくちゃいけない、のがしんどい。

 

この原因は、アメリカ人とか、マーク・ザッカーバーグとか含めてサービスを考えた人間が、皆リア充だったのがひとつあるのと、アメリカって一神教だから、結局「自分」なのです。対して日本は犬とか狐とかが神様で、人間じゃないものに命が宿るって感じを、自然に感じる。日本が多神教だったことが大きい。

 

たとえばツイッターって日本だけで流行ってるんです。アメリカでは廃れてる。分析してみましたが、日本で流行ってる理由のひとつはサブアカウントの存在です。アメリカ人って、ツイッターもインスタもサブアカ使わないんです。正に自分のアカウント一本勝負!

 

対して、日本では、サブアカ含めて自分の人格やコミュニティを適宜変えることを既にやっている。これからのXRで重要なのって、自分の人格だったりコミュニティを使い分けて、いろんなキャラを生み出す事なのです。そして、この領域はお客さんのほうも、やっぱ作り手のほうも日本のほうが良いので、なんでこの領域は日本が勝ちきれる大きな領域だと思ってます。

 

XRでどう日本をぶち上げるか

 

 

–ありがとうございます。最後に、皆さんがそれぞれどう日本をぶち上げてくのかっていう宣言をお願いします!

 

大坂氏

バーチャルタレントって全部VRの技術を使って作っているんです。VR内で、TVスタジオを作り、VR内にカメラを設置して録画し、リアル世界のYouTubeで動画を配信してマネタイズする。要は、VRの世界からリアルな世界に価値を輸出しているんです。

そう考えると、今の時点でも、デバイスの復旧を待たずして、色々とやりようがあると思うんです。タレントとか、キャラクターを中心にやっていくことがそのヒントと思っています。そのコンテンツの中心にいるIPは、Activ8が頑張りますので、きっと加藤さんが、舞台を作ってくださると信じています!

 

加藤氏

平成も終わっちゃいますね。平成は、日本はすごい負けました。Webも負け、スマホも負け、プラットフォーム全然ない、とても残念でした。

 

でも、唯一、バーチャルタレントのような、バーチャルのコンテンツ、バーチャルのIPって、日本が産油国になれる分野だと思ってるんです。

 

プラットフォームかIPかという議論があると思うんですが、結構重要になってくるのはバーチャルタレントだったりとかが、どうやってマネタイズをしていくか。土と花の関係みたいです。土がないと花は育たないですけど、花がなかったら土っていうのは別に誰も見向きもしなければ踏まれていくだけみたいな感じ。だからイグジットポイントを作れるように、我々は頑張りたいと思います!

 

国光氏

今日来てくれたみなんさんの中から、XRんとこでこう働いてみたいとかね、インターンとか転職とかしたいとかっていう感じの人が出てきたら嬉しいです!皆でね、この領域を盛り上げて行きましょう!

 

XRで日本をぶち上げる!

 

by
早稲田大学大学院卒の27歳。 Tokyo XR Startups、レオス・キャピタルワークスにおけるインターンを経て、早稲田起業家養成講座に触発されDARSと共にQ-SHOCKを開始。現在は、for Startups, Inc.でヒューマンキャピタリストとしても活躍中。趣味は読書とカフェ巡り。ビールが大好き。
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