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「理不尽とは、ただの尺度の差です」商社からコンサルそして起業の道を歩んだ星野さんが語る

みなさん、こんにちはDARSです。今回はご自身で会社を営みながら、地元新潟にベンチャーキャピタルとして貢献されている星野さんへインタビューをしました。星野さんは起業までに、商社そしてコンサルティングファームと就活生から人気な業界をそれぞれご経験されています。そこで培われたものが現在どう活かされているか、サラリーマンから独立した際の小話などなど、とても分かりやすくお話し頂きましたので、ぜひお読みください。

 

プロフィール

 

 

星野 善宣(Yoshinobu Hoshino)

新潟県出身、39歳。大学時代は北海道で化学の研究をしていたものの、研究職での将来にワクワクしない自分に気づき、先端技術系専門商社に入社。アジア圏を中心とした海外営業を経験後、コンサルティングファームにて中小、ベンチャー企業の組織構築をサポート。2006年に結婚とほぼ同時期に個人事業として独立し、2007年パートナーオブスターズ株式会社設立、ベンチャー企業向けブランドマネジメント事業や学生向参加型メディア”ビズキャンプラス“の運営など多岐にわたる事業を行なっている。地元にも面白い会社を増やしたいという思いから、2015年から新潟ベンチャーキャピタル株式会社の役員も兼務している。

 

理不尽な環境にいたことが武器に。商社とコンサルティングファーム時代を振り返る。

 

 

–アジア圏を中心に営業されていたんですね。海外の人からすると日本人ってどう思われてたんですかね?

国によって違いますが、韓国は当時半導体などでは日本を超える勢いがあり、日本をライバルと位置づけしている感じでした。台湾の企業の方は、よく言われているように親日な感じで、ビジネスのやりとりも丁寧に、真面目な仕事をしてくれました。中国については深圳というところで装置立ち上げに行きましたが、どう思われていたのかがよくわかりませんでした(笑)

 

–家電メーカーでも日本のシェアが奪われたりしていますが、どこで日本と海外の差が生まれているんですかね?

そもそも、今の日本は国自体が発展して、ある程度出来上がった踊り場的な状況になっていると思うので、国民全体の意識の差がありますよね。日本だと高度経済成長期の時のような勢いが、他国には今ある感じですよね。

 

–いろんな会社を経験してそれぞれの良さとかはいかがですか?

商社は優秀な人が多いし、グローバルにやるということを体感できたので、とても良かったです。

あと、ビジネスのスキーム、組織での経営の勉強がきました。大手ならではの企業として整備された仕組みや、業務がどのように分業しているかや、会社の中での出世バトルみたいのも学べました。

コンサルティングファームで良かったのは理不尽を乗り越える力がついたことですかね(笑)

だいぶハードに働きましたし、朝5:00からミーティングとかもあって、まだ電車も動いていなかったので行くのが難しいと考えていたら、「どうやったら5:00に来れるか、考えるんだよ!」みたいな感じの理不尽さは日常茶飯事でした。

 

–辛そうですね。。最近では理不尽に対して結構物申す傾向がありますが、その辺りどう思われてますか?

理不尽だなって感じることについては、「自分の尺度と違うってだけだ」と考えるようにしています。理不尽と一言で済ませると、その先には何も発展がないので、なんか違和感があります。理不尽っぽいことも乗り越えることで、多様性が付きますし、繰り返し乗り越えることで、色々な人から可愛がっても、もらえるとも思います。

 

メイン拠点は東京と新潟。ベンチャーキャピタルとしての星野さんに色々聞いてみた。

 

 

–結婚とほぼ同時に独立されたとのことですが、周囲からの反応はいかがでしたか?

私の両親は猛反対でしたが、ありがたいことに妻の両親は納得してすぐ応援してくれました。私としても、三年で芽が見えなかったらやめると決めていました。あとちょっと別軸でのお話ですが、社会的信用面にも課題は出てきましたね、賃貸契約がすごい大変でした。2年間分の家賃を口座に入れないとNGとかで(笑)もし起業するなら大手にいるうちにローン組んだ方が良いですね(笑)

今となっては子供の参観等の学校行事にも出れていて良かったなと思っています。

 

–本業がお忙しい中、なぜ新潟キャピタルにジョインされたんですか?

私は地元が新潟なので、時々、新潟の経営者の会合とかに参加していました。そうすると、「お前いつ地元に貢献するんだ?」と地元の先輩経営者の方々から言われることがよくあり、いよいよかなと!

 

–出資先は新潟に纏わるところが多いんですか?

今やっているファンドだと14社中5社が新潟県に本社がある会社で、それ以外は新潟の課題を解決しようとしていたり、新潟県と組めそうな会社ですね。

新潟の大きな課題は2つあると考えています。1つは高齢化ですね。みんなチャレンジしに東京に出るので、若い労働人口が減っています。2つめは、ITリテラシーが正直東京に比べると、高くないところです。ビジネスは当然、新潟の中だけでなく、首都圏、世界と競わなくてはなりません。ITで遅れてはこれからのビジネスでは戦っていくのが困難ですよね。そのため東京のベンチャーを新潟につなげることで、少しでもその改善につながればと思っています。

 

–新潟に行っていることも多いんですか?

基本的には月に2〜3回は行って、新潟で打ち合わせなどをしています。

 

–月に2〜3日は出張ということですよね。移動時間が多くて大変だったりしませんか?

新潟まで約2時間ほど新幹線に乗るんですが、逆に移動時間はありがたいです。新幹線に乗れば、トンネルなどもあり電話に出れなかったりするので、その時間を利用して、集中して資料を作る時間や読書などのインプットする時間が取れます。

 

–ベンチャーキャピタルという立場の星野さんから見て、うまくいくベンチャーの共通点とかはありますか?

社員が楽しんで働いている会社は伸びている感じがありますね。社長が社員の環境をしっかり考えている。そうすると従業員にも当事者意識が生まれてきます。ただ、30人を超えると次の課題が出てきます、方向性違う社員が出てきちゃったり。その時、ビジネスモデルが優れているからだけだと、そこで成長速度が止まっちゃう会社があります。特に、IT系ベンチャーとかだとエンジニア職、営業職とかは転職もしやすかったりもするので、ビジネスモデルとかだけでは社員が定着せず、成長が思った通りにいかないことはよくあります。

 

 

多くの経営者、学生と接してきた星野さんが学生へキャリアについてのメッセージ

 

 

–ビズキャンプラスを運営されているので、学生さんと関わる機会が多くキャリア相談も受けると思いますが、最近の学生さんの傾向はどうですか?

しっかりキャリアを描いている学生も多いですね。終身雇用が崩れているので、初めから転職も視野に入れて就職を考えています。最初はベンチャーがいいか、大手がいいかみたいな相談をよく受けます。

 

–その質問に対してどう答えているんですか?学生のキャリアに対してのお考えをお聞かせください!

どう成長していきたいかをヒアリングして、起業したいなど次のステップの目標があればマルチタスクを経験できるベンチャー、特に何もビジョンがないなら、まずは大手にいくことも進めてます。大手って新卒のタイミングでないと、なかなか入れなかったりもしますし。ベンチャー支援してるからベンチャーいけとか、起業しろと単純には思っていないです、向き不向きもあるので。

DARS by
明治大学経営学部卒業後、2014年に大手人材系企業に入社し、転職サイトを中心とした中途採用領域のセールスを経験。 現在はフリーランスとして活動しており、早稲田大学起業家養成講座への潜入をキッカケにQ-SHOCKをタカタタンと立ち上げる。
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